誘導加熱技術を用いた塗装剥離工法

鋼構造物の塗替えは、再塗装の前に現在の塗装を剥離させます。代表的な工法として、ブラスト工法やケレン工法がありますが、最近では騒音や粉塵の発生など環境問題により都市部や住宅地では採用されず、剥離剤工法が選ばれています。

剥離剤工法は塗膜内部に薬品を浸透させ化学反応で膨潤させるため、塗装が剥離するまでに多くの時間が必要な上に周辺温度の影響を受けます。特に天候不順や冬場は思うように化学反応が進まず苦慮する場面があり、新たな塗装剥離工法は望まれています。そこで、誘導加熱技術を用いた塗装剥離工法(IH工法)に着目しました。

IH工法による塗装剥離作業
(朱色は錆止め塗料)

シート状に剥離した塗膜

誘導加熱はIHクッキングヒーターに使われている技術で、加熱コイル自体は発熱せずコイルの近くにある鋼材自身が発熱します。この誘導加熱コイルを塗装された鋼板表面に近づけると、発熱により塗膜が軟化し接着力が弱められシート状に剥離できるようになります。IH工法では可動部分のない装置を使用するため騒音はなく、天候や気温の影響も受けることなく、粉塵の発生も極力抑える事ができます。