長年培った技術・経験で橋梁を守る、保全事業
保全事業では、横河グループの長年の歴史で培ってきた技術・経験を活かしています。
さらに新技術や新工法を導入しつつ、長寿命化・大規模更新・耐震補強・災害復旧に取り組むことで、
重要な社会資本である橋梁を守り、次世代へ繋いでいきます。
ソリューション
課題解決エピソード
コンクリート養生時間を1/3に短縮する床版の開発
一般的に床版取替を実施するためには長期間の通行止めが必要です。平成21年度から3期にわたって床版取替を実施した西名阪自動車道「御幸大橋(みゆきおおはし)」は、交通量も多く代替路線もないため通行止めを長期間行った場合の社会的な影響は甚大となります。通行止めの影響を抑えるため、最初に施工したⅠ期工事では高速道路では初の試みである夜間全面通行止めで床版取替を行い、昼間は1車線開放するという工法が採用されました。
Ⅲ期工事では更なる急速施工を目指し、作業時間のクリティカルであるコンクリート養生時間を大幅に短縮するため、間詰め材を超速硬コンクリートから超速硬モルタルに変更することを検討したところ、硬化時の水和熱が大きいという課題にぶつかりました。
しかしながら、大阪大学名誉教授松井繁之先生の指導のもと、水和熱の影響を抑え、配筋・型枠作業を省力化した「スリットループ継手」の開発により課題を解決し、養生時間を従来の3時間から1時間に短縮させる事ができました。(御幸大橋Ⅲ期平成24年5月竣工:西日本高速道路㈱ 関西支社から支社長賞受賞)
間詰め材のスランプフロー測定状況
1時間で強度が発現する超速硬無収縮モルタルに粗骨材として小粒砂利を加える事で、上記条件を満たす事が出来ました。
- 早期にプレストレスト導入可能となる強度を発現すること
- プレキャスト部のコンクリートと同等の強度、弾性係数をもつこと
スリットループ継手構造の概要
ループ継手構造を基本としていますが、以下の特徴があります。
- 間詰部の材料を「超速硬無収縮モルタル+小粒砂利」に変更することによる養生時間短縮
- 橋軸直角方向に配置する鋼材を鉄筋からPC鋼材に変更することによる配筋作業時間短縮
- スリット形状とし打設体積を少なくすることによる水和熱減少
発注者 (元発注) | 関東地方整備局千葉国道事務所 |
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施工地 | 千葉県 |
施工規模 | 鋼床版あて板補強999箇所 |
施工概要 | 市川大橋の鋼床版に亀裂が発生したため、橋面の舗装を切削し当て板による鋼床版の補強を行った。 |
施工年度 | 2014年 |
発注者 (元発注) | 北陸地方整備局伏木富山港湾事務所 |
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施工地 | 富山県 |
施工規模 | 高減衰ゴムダンパー14基 |
施工概要 | 新湊大橋(5径間連続複合斜張橋)において高減衰ゴムダンパー及び粘性ダンパー設置などを施工した。 |
施工年度 | 2014年 |
発注者 (元発注) | 東北地方整備局仙台河川国道事務所 |
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施工地 | 宮城県 |
施工規模 | 緩衝チェーン12基 |
施工概要 | 多田川橋他4橋に対する耐震補強工事。 |
施工年度 | 2013年 |